松尾芭蕉
山寺
「朝顔に」発句画賛(複製) 英一蝶画・芭蕉賛 天和年間(17世紀)1幅(原本:天理図書館蔵)
画賛とは、絵のあいているところに詩や文章が書き込まれた絵画のことです。
絵を描いたのは英一蝶。江戸時代、17世紀終わり頃から18世紀の初め頃に活躍した、大変人気のあった絵描きです。
竹の花生けから朝顔の蔓が垂れています。その蔓の途中の小さな色紙に句を書いたのが松尾芭蕉です。
朝顔に われは飯くふ おとこ哉 ばせを(芭蕉)
「私は、早起きをして朝顔の花を眺めながら朝ごはんを食べる普通の生活をしています」という意味。これは、芭蕉の弟子の其角が、「草の戸に我は蓼食ふ蛍かな(誰もに好かれるというわけではないが、私は俳諧をたしなみ、夜な夜な蛍のように飛んで遊んでいます)」と詠んだのに対して、其角への戒めとして簡素な生活を良しとした句です。